気ままにIoTメモ

色々なこと備忘録

TA7291PのPWM制御について

秋月でも購入できるモータドライバICにTA7291PというICがあります.
安価で5Vでも動作するため使いやすいICなのですが,PWM制御をする方法が大きく二通り見られるようです.

  • 制御電源端子VrefにPWM信号印加
  • IN1 or IN2 にPWM信号を印加したフリー←→CW/CCW

モータドライバの使い方について | うしこlog
TA7291P を使った小型モータ駆動回路 | マルツオンライン

後者はロジック側電源電圧とモーター側電源電圧が異なっていても回路の変更無く使える方法です.
特に縛りなく: モータードライバTA7291PでモーターのPWM制御

ところがTA7291P自体PWMに向かないという話もあり,どこまで高速に動作してくれるのか確認してみました.
TA7291P は PWM に向かない!?|夕焼けの漣

回路図

f:id:htn_hs:20170812200324j:plain

抵抗1Ω(10Ω10個並列)に約1A流れる電源電圧2.3Vに設定.
ハイサイドの実験時には1ΩをGNDに,ローサイドの実験時には1Ωをモーター側電源につなげています.

回路写真
f:id:htn_hs:20170812120414j:plain

実験環境
f:id:htn_hs:20170812130836j:plain

IN2をGND,IN1にPWM信号を入れれば正転(OUT1:HIGH, OUT2:LOW)・フリー
IN1をGND,IN2にPWM信号を入れれば逆転(OUT1:LOW, OUT2:HIGH)・フリー
と動作し,ハイサイドとローサイドの駆動の速さを確認できます.

ハイサイドを確認する時はIN1にPWM,ローサイドを確認する時はIN2にPWMを印加しました. PWM信号には20KHzデューティー比50%のPWM信号を使用しました.

実験結果

ローサイド側の波形 f:id:htn_hs:20170812121427j:plain

ハイサイド側の波形 f:id:htn_hs:20170812121437j:plain

緑が入力の矩形波,黄色がそれぞれOUT2,OUT1の波形になります.
ハイサイドとローサイド両方とも通電するまでに約10us程度の遅延が含まれている事が分かります.
今回の場合PWMの周期が50usですので,周期に対して大きな遅延です.

最後にOUT1とOUT2間に1Ωを接続し,2端子間の電源電圧波形を測定しました.
f:id:htn_hs:20170812122309j:plain
ピンク色がOUT1-OUT2で負荷に加わる電圧の波形です.

出力波形のデューティー比を測定すると約30%. 遅延の影響が大きく,入力したデューティー比と負荷に印加されるデューティー比が大きく異なってしまっています.

とりあえず回転数が変えられれば良いという場合には周波数を低くすれば問題ないですが,
なめらかにモータを回すために電流連続モードで駆動させたいという場合はkHzオーダーの周波数が必要になるようです.
NOTE - 回路設計編 - PWMドライブの設計

また,今回実験で使用した正転←→フリー方式のPWMではなく正転←→ブレーキ方式のPWMの方が回転数はデューティー比に対して線形になるようです.
DCモーター制御
しかし,データシートを確認すると正転とブレーキの切替時には100usのデッドタイムが必要なので正転←→ブレーキのPWM方式には向かないでしょう.

回転数などを制御したい場合には滑らかに回り,デューティー比に対して回転数が線形な特性が望ましいので他のICを使った方が良さそうです.